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2009年9月27日 (日)

万引現場にもモンスターペアレント

万引現場にもモンスターペアレント 「捕まえる前に諭せ」
「届く場所に置くな」

2009年9月27日7時56分配信 産経新聞

 「なぜ捕まえた」「通報されて子供がショックを受けた」。少年による
万引が全国的に増加する中、子供の万引を通報された保護者が、逆に
小売店に理不尽なクレームをつけるケースが相次いでいる。少年の多くが
「ゲーム感覚」で万引に手を染める一方、“モンスターペアレント”の
出現に、捜査関係者からは「親も『たかが万引』と甘く見る傾向にあり、
他の犯罪を助長しかねない」と懸念する声が上がっている。(滝口亜希)

 ■子供しからず

 「なんで捕まえたんですか。万引に気づいたなら、捕まえる前に諭すべき
でしょう」

 東京都内の大手書店で店長を務める男性は以前、本をかばんに詰め込んで
店を出ようとした男子中学生を呼び止め、保護者に連絡したところ、
逆にこう詰め寄られた。

 「万引した自分の子供はしかりもせず、『商品を子供が取れるような
場所に置いている店の方が悪い』と言ってきた親もいる。万引を犯罪と
思っていない節がある」と男性はため息をつく。

 NPO法人「全国万引犯罪防止機構」(新宿区)には、複数の小売店から
悲鳴が寄せられている。

 「万引をした高校生を警察に通報したら、後日、高校生の祖父から
『孫が精神的にショックを受けた』と抗議された」

 「トレーディングカードを万引した小学生の親に、
『いくらですか? 代金を払えばいいんでしょう』と言われた」

 同機構の福井昂(こう)事務局長は、「こういった親は『万引はちょっと
した出来心でやってしまうもの』という程度の認識しかないから、子供にも
きちんと指導ができない。実際には、万引を入り口に、ほかの犯罪に走る
ケースも多い」と警告する。

 ■小売店大損害

 警察庁の統計では、今年1~6月に万引で摘発された少年は前年同期比
8・2%増の1万3726人。一方、警視庁が1~7月に都内で摘発した
少年は同46・4%増の2565人で、その増加ペースは全国でも群を抜く。

 店舗側の損失も深刻だ。書店などで作る業界団体「日本出版インフラセンター」
(新宿区)の試算では、大手書店14社の万引被害額は年間約40億円。
実に総売り上げの1・4%に相当する額で、小売店はクレームとの
“ダブルパンチ”を受ける形だ。

 特に都内で万引が急増する理由について、警視庁の捜査関係者は
「よく分からないが」とした上で、「本で言えば新古書店など、都内には
万引した商品を売るルートも多い。そのシステムを悪用して、小遣い稼ぎの
手段として万引をしている人も多いのでは」と推測する。

 一方、警視庁が万引で摘発した少年428人を対象に行った意識調査では、
26・8%が動機を「ゲーム感覚」と回答。摘発されたことについては、
24・5%が「運が悪かった」と答えるなど、罪悪感の希薄さが浮き彫り
になった。

 こうした事態を受け、警視庁は今月、万引防止の「アクションプログラム」
を策定。今後、小中高校の道徳や倫理の時間に使える万引防止教育用教材
を作成するほか、地域での防犯教室などを通じて、子供だけでなく保護者
にも万引が引き起こす結果の重大さを訴えていく。

 同庁幹部は「少年だけでなく、保護者を含めたすべての世代に
『万引は犯罪』という認識を持ってもらうことで、ほかの犯罪抑止に
つなげたい」としている。

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